滋賀県のMIHO MUSEUMへ観光・旅行
こんにちは。
煎茶道大阪上本町教室の翼仙(よくせん)です。
今回は、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)筆の「達磨図(だるまず)」、俗に言う「赤だるま」を見に、NHK朝ドラ「スカーレット」で記憶に新しい信楽エリアにある美術館「MIHO MUSEUM(ミホミュージアム)」に行ってきた際の記事です。
目次
MIHO MUSEUM(ミホミュージアム)とは
MIHO MUSEUM(ミホミュージアム)は、滋賀県甲賀市の山間にある私設の美術館です。建物のデザインは、ルーブル美術館の建設で知られる世界的な建築デザイナー・イオミンペイ氏(通称IMペイ)よるものです。山奥の仙境である桃源郷のイメージしており、滋賀県の「自然と建物と美術品」や、ガラス壁を用いて茅葺の寺院をイメージした「西洋と東洋」をテーマに建てられています。
MIHO MUSEUM(ミホミュージアム)の場所は?
MIHO MUSEUM(ミホミュージアム)の場所は、滋賀県の湖東にある信楽エリアです。
三重県や奈良県に接しており、大和茶や政所茶、愛東茶の茶畑も広がる、自然豊かな場所です。
実はこの信楽のさらに山深いところに、関西のミュージアム雑誌にて高評価をはじきだす、有名な美術館があり、お茶の道具や、煎茶道ゆかりの伊藤若冲筆の「達磨図」なんかが多数所蔵されているということで、拝観しに行くことにしました。
ちなみにアクセスは車をオススメします。
駐車場も完備されてますし、何より美術館帰りに、朝ドラ「スカーレット」で有名になった信楽焼の窯元巡りが出来るからです!
ーーーー基本情報ーーーー
- 所在地:〒529-1814 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
- 問合せ先:074-882-3411
- 営業時間:10:00~16:00(毎週月曜日)
- 駐車場:完備
- アクセス:路線バス 石山駅南口より MIHO MUSEUM 行きバス 約50分。
伊藤若冲筆「赤だるま」を見にミホミュージアムへ!
駐車場から美術館までの道のりがオシャレ
駐車場から美術館までは、徒歩で行くか、乗り合いバスで行くか選べます。
せっかくなのでバスを選択。
環境に優しい無音のEVバスでどんどん進みます。
するとトンネルが。

え、こんな真っ暗なところにはいるんですか!
入ってみると、トンネル内はライトアップされてて、何かのアトラクションみたい。
なるほど、ワクワクさせてくれます。
トンネルを抜けると到着しました。
ミホミュージアム(MIHO MUSEUM)!
ガラス張りのお寺のような外観です。
「トンネルを抜けるとそこには、桃源郷がありました」
どこかで聞いたことのあるそんな一言が飛び出してきそうな演出です。
煎茶道ゆかりのあの人も演出に関係してる?
さっそくミホミュージアムに入ると、エントラスには、一際大きいガラス窓が、屏風のように並んで外の景色を映し出しています。
これなんと、中国の景勝地「黄山(こうざん)※」をイメージして、作っているそうです。※黄山(こうざん)とは、中国・安徽省(あんきしょう:上海の近く)にある景勝地。伝説の仙境(仙人が住む世界)を彷彿とさせる独特の景観から、古代から「黄山を見ずして、山を見たというなかれ」と言われ、数多くの文人が訪れた
入り口からすごい仕掛けですね。
黄山と言えば、漢方や道教など様々な文化の始祖と言われる黄帝(こうてい)が仙人になったと言われる伝説の山です。
そして黄帝と言えば、別名は神農(しんのう)、お茶を世界ではじめて発見した神農さんのこと。
文人といえば古代中国趣味の人たちのこと。
煎茶道は中国の影響を強く受けた伝統芸道ですので、この黄山をイメージした景色は、煎茶道の茶会では、よく床の間の掛け軸の山水画なんかでよく見かけます。
また黄山のシンボル的といえば「迎客松(げいきゃくのまつ)」です。
まっすぐそびえ立つ松の幹と、垂れ下がって人を手招きして歓迎してくれているかのような枝が特徴です。
迎客松も細かい部分までちゃんと演出されています。

ルーブルをつくった20世紀最高の世界的建築家I・M・ペイ氏とミホ・ミュージアム
こんなすごい演出や設計、いったいどんな方がされたのだろうと思っていました。
すると館内のインフォメーションでその謎が解けました。
隈研吾(くまけんご)さん、安藤忠雄(あんどうただお)さんとかかな、、と予想しておりましたが、さらに驚き。
なんとあの有名なフランス・ルーブル美術館のガラスピラミッドをはじめ、世界的な建築物をデザインしているI ・M・ペイ氏がここの建築をされているとのことでした!

I・M・ペイ氏とは…本名イオ・ミン・ペイ氏。中国出身の中国系アメリカ人。ジョンFケネディ図書館、ドイツ歴史博物館、イスラム美術博物館、中国銀行本店など世界中で名だたる建築物をデザインしてきた。
煎茶道のリズム「序破急」とMIHOミュージアム
IMペイ氏の説明文や作品群を見てて感じたのは、その地域の文化を幾何学模様(きかがくもよう)と融合させ、そこにモダンな建築技術を融合させる技術に長けているということです。
このミホミュージアムもですが、楕円と三角形の連続です。

三角形のようなシンプルな図形を連続されるのが幾何学模様です。
そしてこの建物の入り口は、入母屋造りの寺がモチーフになっています。
おそらく駐車場からここまでのトンネルも、日本文化の「序破急(じょはきゅう)※」を意識した構成になっていると考えられます。
※序破急(じょはきゅう)とは…煎茶道や能楽など日本の伝統文化で用いられる構成のこと。「序(じょ)」が無拍子(むびょうし)かつ低速度で展開され、太鼓の拍数のみを定めて自由に奏され、「破(は)」から拍子が加わり、「急(きゅう)」で加速が入り一曲三部構成を成す。
トンネルからガラスのお寺に到着し、そこから一気に迎客松や幾何学模様とモダニズム建築、所蔵する一級の美術品を見せる。
それを後から入場者に理解させるようにするという演出もにくいですね。
IMペイ氏が実際に座っていた一本松のイス。
ここで何を思っていたのでしょうか。
館内を歩いて内観をよく見てみると、幾何学模様だらけです。
三角形の連続。

すだれの天井から、優しく入ってくる太陽光、床や壁にはルーブルと同じ白い大理石(ライムストーン)を使用していて、館内全体が明るい雰囲気です。
本物の木も館内で育っています。
無機物と有機物の融合。
自然と人が集まります。
伊藤若冲を見に来たら、館内が一番の見どころになっていました。
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煎茶道大阪教室の講師でありブログ記事の執筆者。
大学卒業後、500年続く京都の老舗和菓子屋に勤めるかたわら、煎茶道教授資格を取得。
煎茶道歴は11年以上、大阪の陶磁器・骨董店「笹船屋」にて茶会や煎茶道教室を主催。
専門や地方の工芸品、焼き物・陶磁器、民芸品、和菓子、民俗学。