日本茶は新型コロナウイルス感染予防になるの?
目次
噂の日本茶がコロナに効く説を、煎茶道家翼仙がネットリサーチしました。
こんにちは。
煎茶道(せんちゃどう) 東叡山翼仙(とうえいざんよくせん) 大阪上本町教室の翼仙です。
今回は、ちまたで噂となっている、新型コロナウイルス予防が日本茶でできるのか、という点で記事をかきます。

日本茶といえば、日本人の国民的飲料で、それこそ平安時代(へいあんじだい:794年~1185年)からお茶の歴史ははじまります。煎茶や玉露(ぎょくろ)、抹茶(まっちゃ)や番茶(ばんちゃ)など、たくさんのお茶が、われわれの生活の一部としてありますよね。
日本茶には、その茶葉に含まれている成分がもつ効能として、抗ガン・抗肥満・抗アレルギー・ストレス解消・血圧上昇抑制などの健康効果が知られています。(出典:公益社団法人 静岡県茶業会議所「知らなきゃ損するお茶のこと10のこと、お茶の効用を科学する」)
また2020年の6月16日には、「茶カテキン研究会(会長:野村哲郎・衆議院議員・鹿児島」が自由民主党内に発足、「茶カテキンは、免疫力を高める作用、抗ウイルス作用、酸化抑制作用、がんの発生・増殖を抑える作用、血中・肝臓のコレステロール値上昇を抑える作用、体の脂肪量を低下させる作用など、さまざまな作用があることが知られている」と述べ、研究が一気にすすむことが予想されます。(出典:食品新聞)
そんな日本茶をつかう趣味”煎茶道(せんちゃどう)”の講師である”東叡山翼仙(とうえいざんよくせん)”が、いままで茶業種や研究員の方、お茶に長年ふれてきた中で見聞きしたこと、ここ数か月でいろいろと調べてたことを書いていきます。
新型コロナウイルス予防に関するデマにご注意。

新型肺炎・新型コロナウイルス(COVID-19)が、今年にはいってから世界中に拡散され、いまも感染者が増えている状態です。冷静になって正確な情報や知識をつけていくためにも、今回は自分なりに調べたことを、信ぴょう性の部分に気を付けて記事化しています。
もし修正部分やあやまった情報がありましたら、すぐ対応しますので、お問い合わせからご連絡いただければ幸いです
煎茶道(せんちゃどう)ってなに?
さいしょに、単語の説明として、先述している煎茶道についてご紹介していきます。
煎茶道とは、茶道の一つの流派(りゅうは)です。茶道とは、抹茶を茶筅で点てて、いただくもの、というイメージがありますが、実は茶葉を使用して急須からお茶をいれる茶道もあるんですね。
煎茶道は、江戸時代に中国から伝わってきた文人趣味(ぶんじんしゅみ:書や画など風流をたのしむ趣味)や黄檗禅宗(おうばくぜんしゅう)と合流し、抹茶の茶道にはない、独自の進化をとげてきました。そのため文化サロンの要素がつよく、”文化をたのしむ”ことをメインとした文化だといえます。
煎茶道を趣味としておこなっていた著名人としては、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)、富岡鉄斎(とみおかてっさい)、夏目漱石(なつめそうせき)などがあげられます。
日本茶と新型コロナウイルス予防について結論を述べると。
2020年7月現在、新型コロナウイルスにたいして、緑茶の成分に有効性があるとは言えません。
全国の茶業種組合(ちゃぎょうしゅくみあい)や大学や研究機関のデータを見あさりましたが、2020年2月ごろにはじまったコロナウイルス騒動で、お茶にふくまれている抗ウイルス抗菌作用の新型コロナウイルスへ有効かは、まだ科学的データは出ていないようです。
今回は
日本茶(緑茶)って新型コロナウイルス対策として有効?

昨今お茶業界やお茶好きの間で話題になっている情報なのですが、みなさんご存じでしょうか。
よくSNSやブログなどを拝見していると、”茶カテキン”と、その中にふくまれている”エピガロカテキンガレード(EGCG)”がトピックスとなっているようです。
一体どういうことなのか、カテキン、茶カテキン、エピガロカテキンガレード(EGCG)についてまず説明していきます。
カテキンは、主にお茶に含まれるポリフェノールの一種で、お茶に特有の苦渋味成分のもととなる物質です。ポリフェノールはほとんどの植物に含まれる色素や苦渋味の成分で、ゴマのセサミン、タマネギのケルセチン、ウコンのクルクミン、ブルーベリーのアントシアニンなども同じ仲間です。抗酸化作用を持っている赤ワインやココアなどと同様、その機能性や健康効果が期待されています。(出典:日本カテキン協会)
茶カテキンは、特にその中でもエピガロカテキンガレード(EGCG)がインフルエンザなどのウイルスの表面にある突起(スパイク)に結合し、宿主細胞の表面へのウイルスの吸着を阻害して感染を防ぎます。この効果はインフルエンザウイル
スの型によらないとされています。(出典:東京都茶共同組合「日本茶でウイルス感染を予防する」)
また、茶カテキンの他に乾燥茶葉の中に0,5%程度含まれているスクリクチニンと呼ばれる成分もウイルス膜と細胞膜が結合するのを邪魔することでウイルスの感染を防ぐことが明らかになってきています。
屋内で過ごすことが余儀なくされる中、日本茶にはカテキン以外にも、テアニン、ビタミンCといった免疫力を高める成分が含まれています。(出典:東京都茶共同組合「日本茶でウイルス感染を予防する」)
とのことでした。
しかしカテキン、茶カテキン、エピガロカテキンガレード(EGCG)にかんする、新型コロナウイルス感染予防に特化した研究データはないようで、まず日本茶(お茶)を飲んで抗ウイルスの効能を得ようということでした。
日本茶と新型コロナウイルス予防にかんしての結論

2020年7月現在、さきほども記載とおり、まだ科学的データや実験などもされていないようですし、いろいろな”お茶”に含まれる栄養素が、新型コロナウイルス予防に効果的なはたらきをしてる!とはいえない状況です。
証明もされていないものを拡散してしまうのは、SNS(ソーシャルネットワークサービス)やWEBをデマ情報で蔓延(まんせん)させてしまうことになってしまいます。本当にほしい情報を得たいと思っている人がたどり着けずに困る人が大勢でてきますので、ソース元(1次情報)をしっかり確認して行動をしましょう。
ただこちらの記事冒頭にも記載したとおり、お茶というのは、科学的に検証された身体に良い影響をもつ栄養素がたくさん入っています。日本茶の栄養素を新型コロナウイルス予防をあえて関連付けるなら、日本茶を毎日飲んで免疫力アップ、そしてウイルスに負けない身体づくりをしよう、というところですね。
この記事をきっかけに、毎日の生活に日本茶(緑茶)を取り入れて、しっかり免疫力をつけて、健康的な日々をお送りいただけますと幸いです。
このたびはご覧いただきありがとうございました。