日本茶の趣味である煎茶道でつかう茶葉について①

こんにちは。
煎茶道 東叡山翼仙 教室の翼仙です。
今回は、日本茶の趣味である伝統芸道(でんとうげいどう)の煎茶道(せんちゃどう)、そのお手前でつかう茶葉について説明していきます。
煎茶道とは文字通り、「お茶を煎(せん)じる」、「お茶を煎(に)る」と書きます。
ゆえにいろんな茶葉をつかいます。
抹茶の茶道は、文字通り”抹茶(まっちゃ)”しか使いませんが、煎茶道はどんな茶葉をつかうか気になりませんか?
これからかんたんに、説明していきます。
日本伝統芸道の煎茶道(せんちゃどう)とは
煎茶道とは、茶道の一流派(りゅうは)です。見た目の大きな違いは、茶葉をもちいて、急須でお茶を淹れる点です。
ゆえに茶葉をつかう茶道を煎茶道、抹茶をつかう茶道を抹茶道(まっちゃどう)とわけて呼んだりします。
流派は300以上あるといわれていて、日本全国に独立した流派があるといわれています。
煎茶道をおこなっていた著名人といえば、江戸時代の画家である伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)や頼山陽(らいさんよう)、明治時代の文人である富岡鉄斎(とみおかてっさい)などがあげられます。
煎茶道でつかう茶葉「煎茶(せんちゃ)」
煎茶道でつかう茶葉は、その名の通り「煎茶」です。
煎茶道では、文字通り煎茶という茶葉を使います。急須の中に入ったお湯で、茶葉を煎(に)てお茶を淹(だ)すため、その漢字があてられています。
味の特徴としては、渋味(しぶみ)と旨味(うまみ)がうまくミックスされて、美味しい緑茶というイメージです。
栽培方法の特徴ですが、日光を遮らずに栽培し、茶葉を蒸して揉みながら乾燥させたものを煎茶といいます。
煎茶道でつかう茶葉「玉露」
新芽が2~3枚開き始めたころ、茶園をヨシズやワラで20日間ほど覆い(被覆栽培)、日光をさえぎって育てたお茶が「玉露」です。最近は、寒冷紗(かんれいしゃ)などの化学繊維で覆うことも多くなっています。光を制限して新芽を育てることにより、アミノ酸(テアニン)からカテキンへの生成が抑えられ、渋みが少なく、旨みが豊富な味になります。海苔に似た「覆い香」が特徴的です。
煎茶道でつかう茶葉「啜り茶」
煎茶と玉露をブレンドしてお作りするのが「啜り茶」です。玉露独特の「覆い香」がミックスされ、旨味のつよい煎茶、といった味がします。
煎茶道でつかう茶葉「茎茶」
日本の緑茶の一種。棒茶とも呼ばれています。玉露や煎茶の仕上げ加工工程で、選別機によって新芽の茎だけを抽出したお茶です。独特のさわやかな香りと甘みが特徴です。中でも玉露や高級な煎茶の茎は、「かりがね」と呼ばれて珍重されています。
いかがでしたでしょうか。
ほかにももっとありますので、次の記事もお楽しみに!

煎茶道大阪教室の講師でありブログ記事の執筆者。
大学卒業後、500年続く京都の老舗和菓子屋に勤めるかたわら、煎茶道教授資格を取得。
煎茶道歴は11年以上、大阪の陶磁器・骨董店「笹船屋」にて茶会や煎茶道教室を主催。
専門や地方の工芸品、焼き物・陶磁器、民芸品、和菓子、民俗学。