伊藤若冲と煎茶道の祖・売茶翁をたずねて京都錦市場へ

こんにちは。

煎茶道大阪上本町(せんちゃどうおおさかうえほんまち)教室の翼仙(よくせん)です。

今回は煎茶道の祖である売茶翁(ばいさおう)とゆかりのある、京都の画家、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)に関しての記事です。

伊藤若冲の生家である京都の台所”にしきいちば”や、京都で伊藤若冲の画を楽しめる場所を動画や画像で紹介していきます。

最後までぜひご覧くださいね。

ーーーー基本情報ーーーー

名称:錦市場(にしきいちば)

アクセス:阪急京都線「京都河原町駅」から徒歩5分、「烏丸駅」から徒歩5分

江戸時代の異端の画家「伊藤若冲」とは。

久保田米僊「伊藤若冲像」一幅 絹本着色 明治18(1885)年 55.0×34.9cm 相国寺

伊藤若冲は江戸中期の画家です。1716年、京都の青物問屋「枡屋(ますや)」の長男として生まれました。問屋という裕福な環境のもと、宋・元・明の中国古画の研究、さらには実物の写生も重要視、光琳の装飾画風をもとり入れるなどして独学で画を学び、作品を制作してきました。細部まで描き込まれ、極彩色で彩られた絹本着色の作品や、即興的な筆遣いとユーモラスな表現が特徴の水彩画は、江戸時代の画家として異才を放っています。

仏教にも精通しており、犬、虎、花、鶏(ニワトリ)などの動植物を描く作品が有名ですが、仏画の構成も意識して描いており、その点も高く評価されています。

煎茶道の祖である売茶翁と伊藤若冲の関係とは

伊藤若冲作「売茶翁図」(ばいさおうず)京都相国寺承天閣美術館蔵

煎茶道の祖・売茶翁(ばいさおう)とは、江戸時代の黄檗宗の禅僧で、法名は月海で、還俗後は高遊外とも称しました。

佐賀出身の方でしたが、日本全国を旅して修行をおこない、京都で住まうようになってからは、市中でお茶を売っては禅を説くサロンのようなスタイルで人気を博し、京都の貴族や知識人、庶民がこぞってお茶を飲みに来ていたとか。

煎茶道の祖・売茶翁が名付けた伊藤若冲?

伊藤若冲もその一人で、なんと伊藤若冲が唯一描いた人物画が売茶翁です。

”若冲”(じゃくちゅう)という名前を売茶翁ゆかりの茶道具である”水注”(すいちゅう)に描かれていた漢詩からとられたものらしく、伊藤若冲を語るにあたり、売茶翁の話題は外せません。

ー大盈若沖ー

「大盈(だいえい)は沖(むな)しきがごとくにして」

大きく満ちたものは、まるで空っぽであるかのようである。
これもまた、そのはたらきが窮る(終わる)という事が無い。という意味だそうです。

伊藤若冲と京都の台所「錦市場」

京都の台所とも称される錦市場(にしきいちば)は、京都市中京区のほぼ中央に位置する錦小路通のうち、「寺町通 – 高倉通」間に存在する食品販売中心の商店街です。

お魚、京野菜といった生鮮食材のほか、乾物やに西利や大安といった京漬物(きょうつけもの)、おばんざい(京都の家庭料理のこと)などの加工食品を商う老舗・専門店が集まる市場で、京都独特の食材は、ほぼここで揃うといわれています。

京都を代表する観光地となっており、昼にいくと、上記のようにたくさんの観光客や地元の人で混雑します。

かつては地元住民のスーパーマーケットのような存在でしたが、観光客がどんどん増えていき、観光客を相手に各お店がカフェや居酒屋、飲食店を出店するなどあり、大人気のスポットとなりました。

錦市場は夜になると、伊藤若冲ギャラリーになります。

伊藤若冲の生家がある錦市場

錦市場は、地元が方が昔から運営されている老舗の店が多く、ほとんどが夕方になると店を閉め始めます。近くには夜になってもにぎわう京都の京極通りや高倉通り、そして木屋町通りなどがあるため観光客も多くいるため、その方々に錦市場の夜を楽しんでもらうためにシャッターに、錦市場ゆかりの作家である伊藤若冲の画がペイントされるようになりました。

その様子はさながら、夜の伊藤若冲ミュージアムです。全長数百メートルにおよぶ錦市場のシャッターには、数多くの伊藤若冲の作品が描かれており、画の説明も付け加えられています。

伊藤若冲「群鶏図障壁画」

群鶏図障壁画(ぐんけいずしょうへきが)は、京都市伏見区にある・黄檗宗(おうばくしゅう)海宝寺(かいほうじ)の方丈(ほうじょう)に描かれたもので、およそ10mに及ぶ伊藤若冲の大作画です。

ニワトリをメインに描いた連続画面で、その堂々たる雄姿、鶏の逞しい姿がシャープな筆遣いで颯爽と描かれ、見る人を強く惹きつけます。

伊藤若冲作「群鶏図障壁画」(ぐんけいず しょうへきが)京都国立博物館蔵

こちらも同じく群鶏図障壁画で、題材は同じニワトリですが、こちらはニワトリのポーズや場面が違ったりしていますね。

伊藤若冲といえば、「ニワトリ専門の画家」といわれるほど、何枚もニワトリの画を描いています。

若冲は、ニワトリに魅せられ、家の庭にニワトリを放し飼いにして、細かいスケッチをしてから描いていたそうです。

まさに”庭”の”鳥”ですね。

伊藤若冲作「群鶏図障壁画」(ぐんけいず しょうへきが)京都国立博物館蔵

伊藤若冲「竹梅双鶴図」

寄り添うつがいの鶴を表現した『竹梅双鶴図』(ちくばいそうけいず)は、長寿と夫婦円満などの瑞祥の意が込められた作品です。松竹梅ともいわれる植物と長寿の象徴である鶴の組み合わせは、吉祥画題の定番です。

吉祥を象徴する竹と梅、むつまじく寄り添うつがいの鶴にめでたさがあふれています。

伊藤若冲「花鳥図押絵貼屏風」(かちょうずおしえばりびょうぶ)

花鳥図押絵貼屏風(かちょうずおしえばりびょうぶ)は、伊藤若冲が得意とする、鳥獣をモチーフとした水墨画です。

こちらの花鳥図押絵貼屏風は、筋目書きという若冲独特の水墨画技法が使われたことから有名になりました。

 筋目描き(すじめがき)とは、中国でつくられた吸湿性が強くて墨がにじみやすい画仙紙という書画用の紙の特性を生かした、若冲(じゃくちゅう)オリジナルの技法のことです。

伊藤若冲「花鳥図押絵貼屏風」(かちょうずおしえばりびょうぶ)

鶴の足先が、墨の筆であることを生かしシャープに描かれていたり、右側の鶴は、まるで冬の寒さに耐えるふくらすずめのようにふっくらしていてかわいらしいです。

伊藤若冲作「伏見人形図」

伊藤若冲作「伏見人形図」
伊藤若冲作「伏見人形図」

伏見人形図(ふしみにんぎょうず)は、江戸時代後期に最盛期を迎えた、京都市伏見区エリアの最も古い郷土玩具です。

そのルーツは諸説ありますが、古代から神様に食物をお供えする際の土器からきているといわれています。

全国で90種類以上もある土人形のなかで、伏見人形の系統をひかないものは ないと言われるほどの土人形の元祖であり、民俗的な美しさを誇っています。

伏見人形は種類がたくさんあり、今回の軍配をもった布袋さんや、中国の故事にちなんだ”饅頭食い”、茶道の千家さんがつかわれるツボツボのベースとなった”でんぼ”など、それぞれが意味合いをもっており、どれも心和ませてくれる素敵なデザインです。

今回の画には布袋さんが描かれています。

布袋さんといえば、伏見の近くにある黄檗山萬福寺(おうばくさんまんぷくじ)が有名です。伊藤若冲は、黄檗宗の禅僧である売茶翁(ばいさおう:煎茶道の祖)に師事していたこともあり、それが影響しているのでしょうか。

いずれにしろ、かわいらしい素敵な画です。

伊藤若冲作「鯉魚図」

鯉魚図(りぎょず)は、水面から飛び上がる、生きのよい鯉の半身を水墨画の濃淡で描いた作品です。中国の故事で”鯉の滝登り”があるように、これから物事が大成する意味合いもあり鯉も吉兆の生き物です。

飛び上がった際の水しぶきや波まで豪快に描かれており、躍動感が伝わってきます。

伊藤若冲作「鯉魚図」

伊藤若冲「双鶏図」

伊藤若冲「双鶏図」

伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」

鳥獣花木図屏風(ちょうじゅうはなきずびょうぶ)は、現実の獣や動物から、日本にはいない空想の動物や花、木が描かれており、まさに伊藤若冲ワールド全開といった作品です。

先述したとおり、伊藤若冲は売茶翁といった仏教僧と交流が、その世界観にも強い影響を及ぼしています。

極楽の世界はこんな感じかな?といったような簡単なテーマではないのでしょうが、伊藤若冲が描いた”極楽世界”はこういったイメージだったのでしょうか。

伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」

京都錦市場は昼も面白い!

いかがでしたでしょうか。

夜の錦市場は、さながら伊藤若冲ギャラリーでしたね。

しかし昼も面白いんです。

若冲が暮らしていた時から、通りが変わっていません。

シャッターを開けると、八百屋さんや魚屋さんやおみやげ物屋さんが四方から大声で呼び込みをしており、活気にあふれています。ぜひ京都にお越しの際は、錦市場にも寄ってみてくださいね。

京都錦市場近くのおすすめ観光スポット

錦市場の近くには、観光名所としても有名な、錦市場エリアの氏神様である錦天満宮(にしきてんまんぐう)があります。

アーケード街に突如あらわれる暖簾と鳥居、京都らしい光景として観光雑誌にも多く取り上げられているようです。

天満宮なので学業成就はもちろん、錦市場の氏神であるため商売繁盛の御利益もあるそうです。

ぜひコチラも合わせてご覧ください。

京都の台所「錦市場」にある”錦天満宮”

ーーーー”錦天満宮”の基本情報ーーーー

住所:〒604-8042 京都府京都市中京区 四条上る中之町537番地 新

問い合わせ先:075-231-5732

拝観時間:朝8時~夜8時

アクセス:阪急「京都河原町駅」より徒歩3分、京阪「祇園四条駅」より徒歩10分、京都市営地下鉄「四条駅」より徒歩15分