岐阜県の”美濃焼”について

みなさん「やきもんロワイヤル」という漫画、ご存知でしょうか。

いま『月刊モーニング・ツー』(講談社)にて連載されていてヒットしているとか。

内容は、岐阜県の美濃焼(みのやき)、石川県の九谷焼(くたにやき)、佐賀県の伊万里焼(いまりやき)、岡山県の備前焼(びぜんやき)の焼き物たちが擬人化して、焼き物の精霊(焼器霊=やきもん)たちが住む世界を舞台に、ほのぼのした生活を描くバラエティー強めの面白い漫画です。

主人公はもちろん4人の焼器霊たちで、それぞれの焼きもの産地の特徴が、性格として表現されていて、なかなか凝っています。その中でもわたしは美濃焼が好きで、漫画の中では親しみやすい優しい人として描かれています。

また茶道好きなら欠かせない漫画「へうげもの」、これは主人公である戦国時代の武将茶人、古田織部の半生を描いた作品ですが、美濃焼が茶道でかかせない焼き物になったストーリーが描かれています。

美濃焼とは、日本人の誰しもが一度は聞いたことがある名称ですが、果たしてどんな焼き物なのでしょうか。

今回はそんな個性をもつ美濃焼の産地がどういった場所なのかを、実際に行ってきた際の画像や動画などをまじえてご紹介します。

美濃焼(みのやき)とは

緑釉が特徴の岐阜県の焼き物「美濃焼」

美濃焼(みのやき)とは岐阜県の東部地域で生産されてきた陶磁器の総称です。

なぜ美濃という名称かというと、かつて岐阜県東部は旧美濃国エリア(土岐市・多治見市・瑞浪市・可児市)と呼ばれており、良質な粘土(ねんど)がたくさんとれる地域でした。

美濃の語源は、諸説ありますが、「水(み)がたくさんある野(の)」だと言われており、水分量が豊富な土である陶器に使う粘土も広範囲で採取できたのだろうと推測できます。

そんな地理的理由もあってか、いまでは日本最大の陶磁器生産拠点として、工業用陶器の工場が多数あります。

美濃焼の特徴

茶道具にもよく使われる岐阜県の「黄瀬戸焼」

美濃焼の特徴は、”特徴ないことが特徴”という元も子もないこと言ってしまうくらい、汎用性の高い生産地でして、多彩な形と多彩な色合いのものがあります。逆をいえばそれほど技術力が高いということで、そんな美濃焼ですが、有名なものとして、織部焼(おりべやき)、志野焼(しのやき)、黄瀬戸焼(きせとやき)、瀬戸黒焼(せとぐろやき)が挙げられます。

織部焼は、戦国時代の有名な茶人、古田織部(ふるたおりべ)の指導によって創始されたものだと言われており、青緑色の釉薬や、大まか筆遣いで省略して描かれたような絵柄が特徴です。またわざと器自体に”歪み”がいれられており、それまでのいかに均整のとれた焼き物になったかという美意識を覆した、日本の焼き物の常識を変えた革命的な陶器です。

志野焼は白い釉薬が特徴で、よく抹茶碗につかわれます。たっぷり白い釉薬を表面に塗っており、細やかな貫入が入っています。かつて真っ白な磁器を生産できなかった日本では、中国の官窯でつくられたものを輸入していました。日本人の”白”を求める気持ちがはじめて現実となった焼き物です。当時はすごい衝撃だったようですね。

黄瀬戸は淡黄色の釉薬が目立ちます。瀬戸黒はその名の通り真っ黒の鉄釉が特徴で、由来は「瀬戸からきた黒い焼き物」(諸説あり)だとか。

美濃焼の歴史

岐阜県の工芸品「美濃焼」の歴史とは

美濃焼の歴史は古く、7世紀に須恵器がつくられたことから始まります。

穴窯(あながま:地下式窯)が美濃地方に沢山あり、いまでも史跡として残っているそうです。

その後に早くも釉薬を使用する技術が伝わり、良質な焼き物の産地として全国地に知名度を増していきます。

安土桃山時代にはいると、美濃地方には、織田信長や古田織部としった武人でありながら茶道をおこなう人たちが増え、また茶の湯が唐物から和物へと美意識がシフトしていった茶の湯の世界の流行とともに芸術性を高めていきます。

いままは生活雑貨を中心に生産されていた美濃焼が、芸術性を加えた茶碗や菓子器なども多くつくるようになり、他の焼き物の追随をゆるさないほどの陶器となりました。

地方文化を盛り上げたい。

私ごとですが、地方文化や伝統工芸をもっと盛り上げたいと思っています。

いま日本の社会問題としてあげられる伝統産業の担い手不足や、地方からの若者流出、人口減少、限界集落問題などがあります。

たくさんの要素がかさなって、こういった社会問題が発生していますが、わたしは地方文化や伝統産業の魅力をもっと広報PRすることで、サポートしていきたいと考えています。

地域の人がみんなで守ってきた文化や風習、慣習。そこには優しい魅力があり、その魅力を発信して理解してもらうことが地域への愛着につながり、問題解決の小さな糸口になると考えおります。

みんな地方文化を盛り上げましょう!

美濃焼の里へいってきた

自宅のある京都から車で2時間、新東名を乗り継ぎ多治見(たじみ)ICでおり、美濃焼の地である多治見市に到着します。

多治見市は岐阜県の東部に位置しており、いわゆる東濃地方の中核都市です。愛知県や長野県などが近く、夏場は40.9度という日本最高気温を記録したことで知った方が多いのではないでしょうか。

先述したとおり、美濃焼は、日本の陶磁器生産量の60パーセント以上を占めますので、市街を車で走ると、あちこち陶器関係の工房や工場を見かけます。みなさんが使っている食器や生活雑貨をメインで作られているので、知らず知らずのうちに、皆さんも美濃焼を使っているかもしれませんね。

多治見市の主要産業はもちろん陶器製品の輸出で、市内には陶磁器やタイルなどの歴史や製品が展示されてるミュージアムがいくつかあります。

そちらをご紹介していきたいと思います。

多治見市美濃焼ミュージアム

平成24年にオープンした美濃焼ミュージアムは、日光が差し込む中庭を中心に5つの展示室を回遊できるようになっています。1300年有余の歴史をもつ美濃焼、その中でも志野・織部、黄瀬戸、瀬戸黒など桃山陶を中心に各時代の焼き物約150点と、人間国宝をはじめ美濃を代表する陶芸家の作品約50点を常時観覧できる、まさに”美濃焼を知りたいならここに来い!”と言えるぐらいに資料が揃っています。

また館内ミュージアムショップには、美濃焼の現代作家の陶器がいくつも販売されており、こちらのミュージアムのみで美濃焼旅行が完結できてしまうほどです。

ーーーー基本情報ーーーー

住所:〒507-0801 岐阜県多治見市東町1丁目9−27

問合せ先:0572-23-1191

営業時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)

料金:一般 320円 大学生210円(高校生以下無料)

アクセス:駄知線 多治見駅前より約10分「東町」下車すぐ、東海環状自動車道 土岐南多治見ICより車で約10分

岐阜県現代陶芸美術館

岐阜県セラミックパークMINO

岐阜県現代陶芸美術館は、岐阜県多治見市にある岐阜県運営の公立美術館です。

陶芸の現代をテーマとして、国内外の近現代(19世紀以降)の作品に絞って収集する国内唯一の美術館で、館内には展示以外にも現代作家の美濃焼作品が多数あり、1日中ここにいられるぐらいのボリュームです。

ーーーー基本情報ーーーー

住所:〒507-0801岐阜県多治見市東町4-2-5 

営業時間:10:00~18:00 (入館は17:30まで)

問合せ先:TEL 0572-28-3100

アクセス:多治見ICから車で15分(多治見IC交差点を左折して、東町交差点を右折。)

多治見市モザイクタイルミュージアム

岐阜県モザイクタイルミュージアム

まるでジブリの世界にはいったかのような雰囲気のモザイクタイルミュージアム、建築家の藤森照信氏が設計したユニークな外観の建物です。

施釉磁器モザイクタイル発祥の地にして、全国一の生産量を誇る多治見市笠原町に誕生した「モザイクタイルミュージアム」は、タイルについての情報が何でも揃い、展示もここでしか見られないタイル作品が多数!

かわいいDIYタイルの販売やタイル体験もできるワークショップがあり、美濃焼旅行でははずせない場所です。

ーーーー基本情報ーーーー

住所:〒507-0901 岐阜県多治見市笠原町2082−5

問合せ先:0572-43-5101

営業時間:9時~17時(毎週月曜定休)

アクセス:車:多治見ICから約25分、JR「多治見」駅下車 「多治見」駅から東鉄バス(約20分の乗車)、「東草口行き」、「曽木中切行き」にて、「モザイクタイルミュージアム」下車

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