煎茶道の祖「売茶翁」ゆかりの地へ|京都下鴨神社編

煎茶道の祖、茶仙・売茶翁ゆかりの京都下鴨神社

こんにちは。

煎茶道大阪上本町教室の翼仙(よくせん)です。

今回は煎茶道の祖、茶の仙人ともいわれる高遊外売茶翁(こうゆうがいばいさおう)にかんする記事です。

煎茶道の祖「売茶翁」(ばいさおう)とは

伊藤若冲作「売茶翁図」京都相国寺承天閣美術館蔵

高遊外売茶翁(こうゆうがいばいさおう)とは、江戸時代前期に活躍した、日本三禅宗の1つ黄檗宗(おうばくしゅ)の禅僧です。その風貌から茶の仙人、煎茶道(せんちゃどう)の中興の祖といわれており、本名は柴山元昭、幼名は菊泉。法名は月海で、還俗後は高遊外(こうゆうがい)とも称されています。京の東山、東福寺や三十三間堂、聖護院などの景勝地に自在に茶店をもうけ、茶代を飲む者にゆだね禅を説きながら茶を煎じて飲ませた売茶翁のもとには、多くの文人墨客が集まり、いつしか「売茶翁に一服接待されなければ一流の風流人とはいえぬ」とまで言われていたとか。

千利休が侘び茶の祖・茶聖と称されるのに対し、煎茶の祖・茶神と呼ばれ、煎茶道を習うもので知らない人はいない、という存在です。

煎茶道の祖「売茶翁」と下鴨神社

茶仙・売茶翁ゆかりの京都下鴨神社
茶仙・売茶翁ゆかりの京都下鴨神社

上記にもあるように、売茶翁は京都の各所で移動式の喫茶店である「通仙亭」を開くことを生業(なりわい)としており、お茶を煮て、お客様にお出ししては禅を説く、まさに”売茶翁”だったわけですが、今回は、その中でも世界遺産「下鴨神社」と売茶翁に注目してまとめてみました。

下鴨神社とは、山城国(やましろこく)一宮、平安京のころより、この地に建つ歴史深い神社です。

京都の中心にありながら名水が出る場所としても知られており、お茶を淹れる水につかうと美味しかったとか。

下鴨神社にいってみた

ーーーー基本情報ーーーー

住所:〒606-0807 京都府京都市左京区下鴨泉川町59

問合せ先:0757810010

拝観時間 6:30~17:00

アクセス:京阪電車「出町柳駅」から徒歩10分、京都市営地下鉄「今出川駅」から徒歩20分

賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)は、京都市左京区にあり、通称、下鴨神社(しもがもじんじゃ)とも呼ばれています。 式内社(名神大社)、山城国一宮、二十二社(上七社)の一社で、 旧社格は官幣大社(かんぺいたいしゃ:日本において官(朝廷、国)から幣帛ないし幣帛料を支弁される神社)で鴨川(かもがわ)と高野川(たかのがわ)に挟まれた地で、京都一の明泉として古来より人々の信仰を集めてきた、京都で最も古い神社のひとつです。

中でも境内にある社叢林である「糺の森」は、古代の姿を今に伝える緑豊かな参道です。約12万平方メートルにおよぶ広大な森ではケヤキやエノキ、ムクノキなど約40種、樹齢200~600年の原生林が生い茂り、秋は紅葉やイチョウが美しく、季節ごとにライトアップや市民バザー、伝統的な行事である”流鏑馬神事”(やぶさめしんじ)が行われたりします。

煎茶道の祖「売茶翁」もお茶を淹れた”糺の森”(ただすのもり)を実際に歩いてみた。

世界遺産である京都・下鴨神社の参道「糺の森」(ただすのもり)

”世界文化遺産”と書かれた石碑をこえ、一歩、この鬱蒼(うっそう)と木々が生い茂る参道にはいると一気に雰囲気が変わります。経済都市でもある京都、都会独特の騒がしさや自動車の騒音が、出町柳駅からここまで歩いてくる途中気になりましたが、この参道にはいると、静粛につつまれた空間に驚きます。

風が吹くと木々の擦れる音や、小鳥のさえずり、小川のせせらぎが聞こえてきます。

京都は平安京(794年~)としてはじまって以来、鴨川を中心に開拓されていきました。鴨川の由来は、この京都をひらいた加茂一族(かもいちぞく)に由来し、この下鴨神社は、加茂一族の氏神です。

ゆえにこの下鴨神社と、上賀茂神社(賀茂別雷神社:かもわけいかづちじんじゃ)は、神聖視され、古来より手付かずの場所として守られてきました

ここで一つの詩をご紹介させていただきます。

高遊外売茶翁の研究の第一人者である大槻幹郎氏ば売茶翁の詩を注訳された「売茶翁偈語」(ばいさおうげご)。

偈(げ)とは、仏典でいう詩のことです。

高遊外売茶翁が当時、下鴨神社にて詠まれた詩です。

売茶翁偈語 32携友遊糺

乗秋二客伴通仙 来煮洛陽第一泉 甘味依然非世味 清談茶熟到幽玄

友を携えて糺に遊ぶ 秋に乗じて 二客を通仙に伴う 来たって煮る 洛陽第一の泉 甘味依然として世味に非ず 清談 茶熟して 幽玄に到る。

友人を引き連れに、下鴨神社の糺の森に遊ぶ。秋の日を幸いに、友人二人をお茶の席に伴おうと、糺の森に来て京の都一番の泉を汲んで茶を煮る。うまみのある味は変わることなく、世間にありきたりのものではない。俗を超えた高尚な談話のうち、茶のよくでた味わいに、おのずと幽玄の世界に引き入れられる。

出典:売茶翁偈語訳注 大槻幹郎 

”糺す森”の由来は”直澄”

京都が平安京としてこの地に都としてつくられる前よりある下鴨神社、その参道にある糺す森は、名水が湧き出る地としてあがめられ、それゆえに鴨川の水源の神地・信仰の地として守られてきました。

”糺す森”は、どうやらそこが由来・語源と関係してきているそうです。

とても透き通った、美しい水、ゆえに直澄(ただす)、それが時をこえて”糺す”になったとか。

神話の手水舎

糺す森を進むと、大きな朱鳥居の前には、どこの神社にもある手水舎がありました。

しかしなんとこの手水舎の手水鉢、この下鴨神社の御祭神である〇の神話に基づく舟形の磐座石です。

磐座とは、古神道における岩に対する信仰の名称で、要は岩に神様が宿っているということです。

そして糺す森から生まれる清浄な水を磐座石に流すのでは、かつてこの原生林である糺す森の最高齢であった樹齢600年のケヤキです。

なんともありがたい手水舎でしょうか。

さすが京都、さすが下鴨神社、さすが世界文化遺産です。

加茂みたらし茶屋

みたらし団子発祥の店としても有名な出町柳にある和菓子茶屋が「加茂みたらし茶屋」さんです。

みたらし団子は、下鴨神社の拝殿横にある”みたらし池”に湧き出す水玉をかたどったお団子が、そのはじまりだといわれています。

串にさした5個のお団子は、境内の御手洗池に浮かび上がる泡を表しているといわれます。一つ目が少し離れていて、五体を意味しているとも。

材料は最高のものを扱っていて、格別な味わいがあります。黒砂糖をベースにしたまろやかなたれの風味が柔らかな団子と溶け合い、もう絶品。

ぜひ下鴨神社にお越しになった際は、こちらによって、みたらし団子をお召し上がりください♬

ーーーー基本情報ーーーー

住所:〒606-0816 京都府京都市左京区下鴨松ノ木町53

営業時間:9時30~19時

問い合わせ先:075-791-1652

アクセス:京都市営バス「下鴨神社前」下車すぐ