京都の東福寺は紅葉の名所|煎茶道の祖・売茶翁ゆかりの禅寺

秋になり、すっかり外の寒さが身に染みる季節になりました。

木々も色づきはじめ、じわじわと秋の深まり感じます。

みなさん今年は紅葉を見に行かれますでしょうか。

GOTOトラベルが使えて、インバウンド観光客も少ない今こそ、京都の紅葉スポットを観光してみませんか。

今だからこそ、侘びた雅な京都を、観光いただけます。

今回は秋の京都観光でおすすめの紅葉スポット「東福寺」(とうふくじ)を、煎茶道家としての目線からご紹介いたします。

京都を代表する紅葉のお寺「東福寺」(とうふくじ)とは

京都市東山区、世界遺産である清水寺や皇室ゆかりの泉涌寺(せんりゅうじ)など名だたるお寺が並ぶエリアに慧日山(えにちさん)東福寺はあります。

臨済宗東福寺派の大本山であり、また伝統ある臨済宗寺院が列せられる京都五山(きょうとござん)にも位置付けられる京都を代表する禅寺で、日本最古の国宝・方丈建築「龍吟庵」や日本最大の建造物が多くある由緒あるお寺です。

奈良県の東大寺と興福寺から1文字ずつ取って「東福寺」とつけられました。境内には諸堂が立ち並び三門、法堂、仏殿、方丈をはじめ、その多くは国宝や国の重要文化財に指定されています。

東福寺の歴史

鎌倉時代前期に、摂政関白である九條道家(くじょうみちいえ)によって創建され、円爾弁円(えんにべんえん:聖一国師)が迎えられ開山しました。九条道家が造営に取り掛かる造営中に開山として招かれたのは、宋での修行を終えて帰国していた円爾です。円爾は後に花園天皇から「聖一(しょういち)国師」という号を贈られました。

聖一国師は、宋より木々の種を持ち帰り、それを東福寺境内に植えてたため、東福寺が紅葉の名所を言われるようになったと聞きました。

どうやら「唐紅葉」(とうもみじ)というオレンジ色の紅葉を持ち帰ったようで、当時朱色の紅葉しかなかった日本で、赤やオレンジ、黄色のグラデーションが観覧できる珍しいスポットとして有名になっていったそうです。

煎茶道の祖・茶仙「売茶翁」と東福寺

高遊外売茶翁(こうゆうがいばいさおう)は江戸時代の黄檗禅宗の僧侶です。

千利休が侘び茶の祖・茶聖と称されるのに対し、煎茶道の中興の祖、茶の仙人と言われるほど日本茶に精通した禅僧です。

お茶は薬として珍重された時代があり、身分の高い人の飲み物でしたが、売茶翁は、上流階級の文化だった喫茶の風習を、その日暮らしのお金しかもらわずにお客さんに振る舞い、禅を説いていました。いつしかその姿から、市中でお茶を売る翁、ということで売茶翁と呼ばれるようになったとか。

売茶翁に出されたお茶を飲みながら、翁のお話を聞き、その一時を楽しむことがあまりにも風流であることから、ハマる人が続出したらしく、江戸時代に中期に活躍した京都の町絵師「伊藤若冲」や、「池大雅」、相国寺の大典顕常(だいてんけんじょう)などは、売茶翁を慕ってサロンによく通っていたとか。

そんな売茶翁ですが、ここ東福寺にも、なんと紅葉狩りに来ていたのです!

売茶翁の詩を本から抜粋しましので、ご覧ください。

7:通天橋鬻茶

三条橋畔賣茶老 又向通天烹澗泉 遊士莫言価猶貴 更添黄葉半文銭

通天橋に茶を鬻(ひさ)ぐ 三条橋畔の売茶翁 又通天に向いて澗泉(かんせん)を烹(に)る 遊士言うこと莫れ価(か)猶お貴しと 更に黄葉を添えて 半文銭(はんもんせん)

三条大橋のたもとで茶を売っていた老人が、さらに東福寺の名勝通天橋の下にある、澗川(たにがわ)の水で茶を沸かす。遊山の人よ。茶の価(あたい)が高いと言わないでほしい。そのうえに美しい紅葉を加えて僅か半文銭なり。

大槻幹郎著 売茶翁偈語 訳注

売茶翁が生きていた江戸時代前期から中期にかけて、その時代にはもう、東福寺というのは紅葉の名所だったんですね。

さらに、お茶の代金について主張するところですが「この黄葉の美しさ、その中で飲むお茶なんだから、それもしっかり味わわないと」と言われているような気すらします。

風流な人だったんですね。

東福寺の紅葉みどころ

東福寺の境内には、イロハモミジやモミジ、トウカエデなど、2000本以上とも言われる、美しい紅葉を見ることができます。

苔むした境内に落ちる、散り紅葉も美しく見える東福寺。

中でもおすすめは「通天橋」(つうてんきょう)です。

東福寺伽藍の北エリアには、洗玉澗(せんぎょくかん)という渓谷と綺麗な川が流れており、東福寺三名橋と呼ばれる臥雲橋(がうんきょう)、通天橋、偃月橋(えんげつきょう)が架かっています。

橋を持ち上げるように、橋げたから紅葉が植えられており、11月下旬には、まるで紅葉の雲海に浮かぶ、楽園のような景色がご覧いただけます。

東福寺へのアクセス

東福寺は、京阪電車の駅が一番近いですが、他にも京都市営バスや、JR東福寺駅もなかなか近い場所にあります。

また訪問時間は、午前中がおすすめです。

午後になると人がとても多くなるので、朝一番に回られることをおすすめします。

ーーーー基本情報ーーーー

住所:〒605-0981 京都市東山区本町15丁目778

問合せ先:電話番号075-561-0087

拝観時間:4月~10月末 9時~16時(16時30分閉門)、11月~12月初旬 8時30分~16時(16時30分閉門)

拝観料金:秋季拝観料(11/10~11/30)本坊庭園(方丈)500円、通天橋・開山堂 1,000円

アクセス:JR奈良線「東福寺」駅下車、徒歩10分、京阪本線「鳥羽街道」駅下車、徒歩8分

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