日本全国やきもの・窯場一覧|煎茶道具の基礎知識

茶道具や煎茶道具でもよく用いられる全国のやきもの・窯元の産地を一覧にしました。

日本の焼き物の歴史は古く、縄文土器(じょうもんどき)を生産していた時代には、すでに土器の表面に縄目文様(なわめもんよう)や人形に成形(せいけい)するなどの技術がありました。それから弥生土器(やよいどき)や、古墳時代の埴輪や祭礼用の土器、など、焼き物の名前が、その時代を象徴する名称になるなど、いわば日本は焼き物の国です。

また海を越えた隣国である中国からの影響も大きく、釉薬をつかったり、登り窯や磁器(じき)生産の技術が伝わり、作陶技術はさらに磨かれ、茶道や煎茶道をはじめとした日本文化や、各地の実用性や美意識を融合し、地域ごとの”やきもの”がうまれてきました。

茶道や煎茶道ではハズせないやきものたち

「煎茶道を通して、地方文化の魅力を伝える」ことを目標としている煎茶道大阪上本町教室では、各地の窯場や焼き物の里にいって、実際に陶芸体験をしたり、フィールドワークをすることをおすすめしております。

今回は全国の焼き物・窯場を一覧とした記事を作成しました。

窯元巡りや焼き物の勉強をする際に、ぜひ役立ててください!

北海道・東北エリアの窯元・焼き物

北海道

小樽焼(おたるやき)

・道内最古の100数年の歴史をもつ小樽焼は、北海道の海をイメージするような淡い青色の緑玉織部(みどりだまおりべ)と名付けられた釉薬を使うことが特徴です。

青森県

津軽焼(つがるやき)

・津軽焼は、青森県弘前市で焼かれる陶器。 元禄10年(1697年)、弘前藩内の陶磁器の自給自足ができないかと藩主津軽信政が江戸の平清水三右衛門(ひらしみずさんうえもん)を招いたところから、歴史がはじまります。平清水焼、大沢焼、下川原焼、悪戸焼とエリアごとに盛んに焼き物がされましたが、大正までほとんどが絶えてしまい、現在では下川原焼土人形の職人がわずかにのこっています。

金山焼(かなやまやき)

・かつてこの地にあった須恵器(すえき)の影響を受強くうけた津軽金山焼(つがるかなやまやき)は、備前焼の特徴とよく似た特徴をもつ陶器です。

岩手県

小久慈焼(こくじやき)

・初代 熊谷甚右衛門が相馬より招いた陶工 嘉蔵にその技術を学んだのち、地元久慈で採れる粘土と釉薬で独自の焼きものを創り出したのが起源といわれています。

宮城県

堤焼(つつみやき)

・江戸時代に仙台藩の御用窯としてはじまり、後に庶民の生活雑器を生産するようになりました。昭和初期に堤町を訪れた民芸の父・柳宗悦(やなぎむねよし)にも東北を代表する民窯として評価され、黒と白のなまこ釉薬が特徴の、茶碗や水瓶などが有名です。また茶道具をもよく作られており、煎茶道具「茶入」もありました。

山形県

新庄東山焼(しんじょうひがしやまやき)

・天保十二年開窯 新庄戸沢藩御用窯で「出羽の雪のかげり」と呼ばれる味わいのある鮮やかな青い色が特徴です。 豊富な陶土と家伝の釉薬(うわぐすり)を使い、全国的に少なくなっている「登窯」で焼かれた陶器の素朴な美しさが魅力です。

福島県

大堀相馬焼(おおぼりそうまやき)

・「大堀相馬焼」は、 福島県浪江町大堀地区に伝わる、ひび割れ、二重焼き、駒の絵などの特徴を有し、福島県で広く親しまれてきた伝統的工芸品です。

会津本郷焼(あいづほんごうやき)

・会津本郷焼とは、福島県の会津美里町周辺で作られる焼き物です。 会津本郷焼には2種類の焼き物があります。 1つは、土を原料とする瓦焼きから受け継がれた陶器(とうき)、もう1つは東日本では珍しい、石を原料とした磁器(じき)です。

陶器と磁器の両方が作られる会津本郷焼で

会津慶山焼(あいづけいざんやき)

・慶山焼は、文禄元年(1592年)会津藩主・蒲生氏郷公が黒川城(のちの鶴ヶ城)の屋根瓦をつくるために、慶山の地に窯場を築き瓦を焼かせたのがはじまりとされています。 

相馬駒焼(そうまこまやき)

・相馬駒焼は、東日本で最古となる約400年の歴史を誇り、独特のひび焼と走り駒の絵が描かれているのが特徴です。

関東・新潟エリアの窯元・焼き物

新潟県

無名異焼(むみょういやき)

無名異焼は新潟県佐渡ヶ島に伝わる伝統工芸品です。 佐渡でしか採れない門外不出の土、石見銀山で採れた鉱物が多く含まれる無名異(むみょうい)という特殊な土でつくる陶器で、江戸時代から現在までおよそ200年間に渡って焼き継がれてきた個性的な陶器です

茨城県

笠間焼(かさまやき)

・笠間焼とは、茨城県の中央に位置する笠間市周辺で作られる、関東エリア最古の焼き物です。

笠間焼が誕生したのは江戸時代、1770年代。信楽の陶工職人が開祖とされ、日用雑器を中心に作られており、その作風は窯元ごとに多様です。

栃木県

益子焼(ましこやき)

・益子焼は江戸時代末期、笠間で修行した大塚啓三郎が窯を築いたことに始まると言われます。以来、優れた陶土を産出すること、大市場東京に近いことから、鉢、水がめ、土瓶など日用の道具の産地として発展してきました。

栃木県の工芸品「益子焼」
栃木県の工芸品「益子焼」

小砂焼(こいさごやき)

・小砂焼とは、天保元年(1830年)に水戸藩主徳川斉昭(烈公)がこの陶土を発見し、水戸藩営御用製陶所の原料として使われたのが発祥です。特徴として、金色を帯びた黄色の金結晶や桃色がかった辰砂(しんしゃ)等、素朴な中にも上品な色合いを持っています。

埼玉県

飯能焼(はんのうやき)

北越地方の窯元・やきもの

富山県

越中瀬戸焼(えっちゅうせとやき)

越中瀬戸焼とは、富山県立山町新瀬戸地区で焼かれる陶器のことです。その歴史は古く、ベースは古代よりつづく須恵器(すえき)で、その後加賀藩主・前田利長が1590年代の終わりに、この地に尾張国瀬戸から陶工を招いて焼き物を作らせたことが、越中瀬戸焼というブランドの始まりです。釉薬はすべて植物灰などいわゆる自然釉(しぜんゆう)で、温かいデザインのものが多いです。

石川県

九谷焼(くたにやき)

・石川県の九谷焼は、加賀温泉郷を中心に加賀市や金沢市、小松市などで生産される、色絵(赤、青、黄、緑、紫などの色を釉薬の上から絵付けすること)の美しさが特徴的な磁器です。

日本のやきものの歴史の中では珍しく、磁器の産地で、細かく描かれた文様はとても美しいです。

⇒石川県の工芸品「九谷焼」の記事はこちら。

石川県の工芸品「九谷焼」
石川県の工芸品「九谷焼」

珠洲焼(すずやき)

・珠洲焼は、12世紀後半から15世紀末にかけて能登半島の先端・珠洲郡内(現在の珠洲市周辺)で作られた中世を代表する焼物です。戦国時代にその歴史は一時的に途絶えてしまいましたが、現在はよみがえり、当時の製法を受け継ぎ、黒灰色の焼き締めを基本としながら作家さんが多数活躍されています。

福井県

越前焼(えちぜんやき)

越前焼(えちぜんやき)は、福井県丹生郡(にゅうぐん)越前町で作られている陶磁器です。古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの国内の窯のことを「日本六古窯」と総称しますが、その1つに越前焼も認定されています。窯が形成されたのは平安時代末期ごろで衰退した期間もあるのですが、近年復興が進展中。土ものの力強い作風が特徴の多彩な製品がつくられています。

長野県

高遠焼(たかとおやき)

・長野県伊那市にて焼かれる陶器です。1812年に高遠城内に水を引くための土管を焼かせるために窯を開いたのが始まりだと言われています。赤土に、白や緑など2色のうわぐすりを重ねた色合いが特徴です。

松代焼(まつしろやき)

・松代焼は、長野県長野市松代地区で焼かれる信州を代表する陶器です。 松代は真田氏の城下町として名を馳せ、藩の御用窯として栄えました。黒ずんだ素地の上に青白濁色の釉薬がかかっているのが特徴です。

東海地方の窯元・やきもの

岐阜県

美濃焼(みのやき)

渋草焼(しぶくさやき)

小糸焼(こいとやき)

静岡県

志戸呂焼(しとろやき)

賎機焼(しずはたやき)

愛知県

瀬戸焼(せとやき)

・瀬戸焼とは、愛知県瀬戸市で生産される陶磁器のことです。瀬戸の地名は、焼き物の産地を表す「陶所(すえどころ)」が転じたと言う説もあるほどで、いわゆる”せともの”というワードもこの瀬戸焼から転じたもので、日本一のやきものブランドをもつエリアです。中世において唯一施釉陶器を生産しており、瀬戸層群から採掘される良質な粘土から磁器の生産も行われていました。古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの国内の窯のことを「日本六古窯」と総称しますが、その1つに瀬戸焼も認定されています。

常滑焼(とこなめやき)

・常滑焼は愛知県常滑市を中心に古くから作られている焼き物です。古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの国内の窯のことを「日本六古窯」(にほんろっこよう)と総称しますが、その1つに常滑焼も認定されています。その日本六古窯最大規模の産地として有名で、鉄分が多く含まれた粘り気の強い粘土をうまく活用し、中国宜興(ぎこう)の朱泥陶器(しゅでいとうき)のようなやきものを生産しています。

煎茶道具でも常滑焼は有名で、中国茶器であった急須を、早くから常滑焼の赤土でつくっていたことから常滑焼の急須は全国的に使用されるようになりました。常滑さんぽみち土管坂の景色はこちらです。

三重県

萬古焼(ばんこやき)

・萬古焼は、三重県四日市地方を中心に生産されてきた陶磁器です。葉長石(ようちょうせき:ペタライト)という耐熱性にすぐれた鉱物が土によく混ざっており、鍋や羽窯などが生産されています。歴史は江戸時代中期までさかのぼり、桑名の豪商・沼波弄山(ぬなみろうざん)が現在の三重県朝日町小向(おぶけ)に窯を開いたことに始まります。 弄山は自身の作品がいつまでも変わらず残るようにと「萬古」または「萬古不易」の落款を作品に押したことから萬古焼と呼ばれるようになります。

中国茶器の写しをつくることも多く、とくに煎茶道具の急須をつくることでも有名です。

伊賀焼(いがやき)

阿漕焼(あこぎやき)

近畿・関西地方の窯元・やきもの

滋賀県

信楽焼(しがらきやき)

・信楽焼は、滋賀県甲賀市信楽町を中心に古代から生産されている陶器です。古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの国内の窯のことを「日本六古窯」と総称しますが、その1つに信楽焼も認定されています。琵琶湖の恵みにより、良質な粘土が産出。平安時代末期に開窯し、、戦国時代、侘びた風合いが茶道好きたちに好まれ「茶陶信楽」(ちゃとうしがらき)として知られるになりました。粘り気のある良質な土が特徴で、小さなものから巨大なものまで幅広く作られてきた。たぬきの置物が有名だが、かつては甕、壺、すり鉢、近代になると火鉢やタイルなど、生活様式にあわせてさまざまなもの生産している産地です。

京都

楽焼(らくやき)

清水焼(きよみずやき)

朝日焼(あさひやき)

奈良県

赤膚焼(あかだやき)

和歌山県

瑞芝焼(ずいしやき)

兵庫県

丹波焼(たんばやき)

・古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの国内の窯のことを「日本六古窯」と総称しますが、その1つに丹波焼も認定されています。

出石焼(いずしやき)

山陰地方の窯元・やきもの

鳥取県

因久山焼(いんきゅうざんやき)

牛ノ戸焼(うしのとやき)

皆生法勝寺焼(かいけほうしょうじやき):江戸時代から伝わっている「法勝寺焼」。皆生には1961年に窯がひらかれた。皆生海岸の白砂や日野川の砂鉄などから作られる。

島根県

出西焼(しゅっさいやき)

石見焼(いわみやき)

袖師焼(そでしやき)

布志名焼(ふじなやき)

中・四国地方の窯元・やきもの

岡山県

備前焼(びぜんやき)

・古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの国内の窯のことを「日本六古窯」と総称しますが、その1つに備前焼も認定されています。

虫明焼(むしあけやき)

酒津焼(さかづやき)

山口県

萩焼(はぎやき)

徳島県

大谷焼(おおたにやき)

香川県

理平焼(りへいやき)

高知県

尾戸焼(おどやき)

内原野焼(うちはらのやき)

愛媛県

砥部焼(とべやき)

九州・沖縄地方の窯元・やきもの

福岡県

上野焼(あがのやき)

小石原焼(こいしわらやき)

高取焼(たかとりやき)

佐賀県

唐津焼(からつやき)

白石焼(しらいしやき)

有田焼(ありたやき)

伊万里焼(いまりやき)

武雄焼(たけおやき)

・武雄焼は、佐賀県西部の武雄市で焼かれるやきものです、桃山時代から制作されており、400年以上の歴史があります。現在も窯元が多く残っており、90以上の窯元がいらっしゃるとのことです。

長崎県

三川内焼(みかわちやき)

波佐見焼(はさみやき)

現川焼(うつつがわやき)

熊本県

小代焼(しょうだいやき)

高田焼(こうだやき)

大分県

小鹿田焼(おんたやき)

鹿児島県

薩摩焼

沖縄県

壺屋焼(つぼややき)

読谷焼(よみたんやき)