茶道の禅語「日日是好日」とは?掛軸の意味、読み方、使い方を解説
女優の黒木華さんや多部未華子さんが出演された映画「日日是好日」はご覧になられましたでしょうか。
表千家の茶道教室に通う若い女性二人が、茶人として、人間として成長していくストーリーです。
その映画のタイトルにもなっている「日日是好日」とは、茶道でよく使われる禅語です。
今回はこの茶道の掛軸にもよく使われる「日日是好日」について、読み方や意味、使い方を解説します。
日日是好日の読み方
日日是好日の読み方は、禅語では日日是好日(にちにちこれこうにち)と言います。
日日是好日の意味とは
日日是好日の意味は、来る日も来る日も、楽しく平和なよい日が続く、毎日が良い日だ、毎日毎日が無事でよい日である、といったものがあります。もちろん禅語のため、故事に基づいた意味があります。簡単に説明すると、どんなにいいことがあった日でもどんな災難に見舞われた日でも、そのいづれかの日にも、その日にしか得られない価値と意味があり、禅の無の境地に達すれば、毎日が良い日だという意味になります。
日日是好日の由来
日日是好日の由来は、碧巌録(へきがんろく)に書かれている禅僧・雲門文偃(うんもんぶんえん)の禅問答からきています。
碧巌録とは、古代中国の仏教書であり、禅宗の語録になります。別に仏果圜悟禅師碧巌録(ぶっかえんごぜんしへきがんろく)、碧巌集(へきがんしゅう)とも呼ばれており、全10巻の書物です。宋代の禅僧で雲門宗4世の雪竇重顕(せっちょうじゅうけん)と、圜悟克勤(えんごこくごん)の共著です。
日日是好日の使い方
日日是好日の使い方は、自分では悪い状況だとは思いながらも、前向きに捉えていくという意思を表示するときに使います。
そのため下記のような使い方があります。
病気の療養のため入院することになりましたが、日日是好日と考え、理解したいと思います。

煎茶道大阪教室の講師でありブログ記事の執筆者。
大学卒業後、500年続く京都の老舗和菓子屋に勤めるかたわら、煎茶道教授資格を取得。
煎茶道歴は11年以上、大阪の陶磁器・骨董店「笹船屋」にて茶会や煎茶道教室を主催。
専門や地方の工芸品、焼き物・陶磁器、民芸品、和菓子、民俗学。