煎茶道具「巾合・巾盒」(きんごう)とは
巾合(きんごう)とは、煎茶道具の茶碗を清める際に使用する茶巾(ちゃきん)を入れる器物です。
別に巾盒(きんごう)という漢字をあてたり、二段になっている重巾盒(じゅうきんごう)などもあります。
盒とは、音読みで”ゴウ”、訓読みで”ふたもの”と呼びます。もとは中国の漢字で、食器などの蓋つきの器のこと指し示す呼称です。
茶巾は、お客様が口を付けて触れるお茶碗を清めるものですので、使用する以前は清浄にしておくために、こういった蓋つきの器物の中にいれておく必要があります。
煎茶道具「巾合」(きんごう)の材質や形について
素材は陶磁器が中心で、稀に木や金物、漆器(しっき)でつくられたものもあります。
茶巾は水分が多く、水屋で水分をしぼってから巾合にいれて、手前座(てまえざ)に運びます。
他にも同じ茶巾入れの役割を果たす、筒状になっている「巾筒」(きんとう)や、角状の筒を「巾承」(きんしょう)という煎茶道具もあります。
煎茶道具「巾合」の画像
こちらは磁器でつくられた、雷紋のデザインされた煎茶道具「巾合」です。


煎茶道具「巾合」(きんごう)の動画はこちら。
こちらは京焼の名匠である平安春峰さんの巾合(きんごう)です。
磁器(じき)で制作されており、蓋には「瑞雲」(ずいうん:仏教などで、めでたい兆しとして出現する、紫色や五色の珍しい雲のこと)とかかれています。